Q.I - 1カセイソーダの凝固点は何度でしょうか?開閉
A.I - 1以下の文献を参照してください。
例えば、図の横軸NaOHの濃度が50%の場合、50%の縦線と図の曲線との交点を横線に沿って左へ見ていくと縦軸の温度の約10℃にあたります。したがって、NaOHの濃度が50%の場合、氷点(凝固点)は約10℃であることが分かります。
ソーダ技術ハンドブック2009, p.426, 日本ソーダ工業会(2009)
本「Q&A」は、ソーダ製品を使用されるユーザー業界の皆様から多く頂いたご質問についての回答を掲載していますので、ご注意ください。
(パンフレット「塩素Q&A」は、刊行物のページに移動しました。)
Q.I - 1カセイソーダの凝固点は何度でしょうか?開閉
A.I - 1以下の文献を参照してください。
例えば、図の横軸NaOHの濃度が50%の場合、50%の縦線と図の曲線との交点を横線に沿って左へ見ていくと縦軸の温度の約10℃にあたります。したがって、NaOHの濃度が50%の場合、氷点(凝固点)は約10℃であることが分かります。
ソーダ技術ハンドブック2009, p.426, 日本ソーダ工業会(2009)
Q.I - 2カセイソーダの比重、粘度はどのくらいでしょうか?開閉
A.I - 2以下の文献を参照してください。
ソーダ技術ハンドブック2009, pp.418-421, 日本ソーダ工業会(2009)
Q.I - 3カセイソーダはどのように廃棄したら良いのでしょうか?開閉
A.I - 3下記の通り、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」にしたがって処理してください。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
廃アルカリは、産業廃棄物に指定されており、収集、運搬、処分は定められた基準に従って、事業者自ら処理するかあるいは区域を管轄する都道府県知事の許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託して処理しなければなりません。
Q.I - 4カセイソーダの保管時については、どのような規制があるのでしょうか?開閉
A.I - 4カセイソーダ(5%以下は除く)は「毒物及び劇物取締法」によって、劇物として指定され、販売・貯蔵・消費・輸送等に規制を受けます。
なお、関連法規を次項に示します。
これは、日本ソーダ工業会のホームページの「製品の取扱い」からダウンロードすることが出来ますので、ご参照ください。
◎関連法規
カセイソーダは主として毒物及び劇物取締法の規制を受けますが、他に薬事法、食品衛生法、船舶安全法、水質汚濁防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の適用も受けますので、取扱いに当っては十分注意して下さい。
Q.I - 5カセイソーダの輸送時については、どのような規制があるのでしょうか?開閉
A.I - 5カセイソーダ(5%以下は除く)は「毒物及び劇物取締法」によって、劇物として指定され、販売・貯蔵・消費・輸送等に規制を受けます。
なお、関連法規などを次項に示します。
これは、日本ソーダ工業会のホームページの「製品の取扱い」からダウンロードすることが出来ますので、ご参照ください。
◎関連法規
カセイソーダは主として毒物及び劇物取締法の規制を受けますが、他に薬事法、食品衛生法、船舶安全法、水質汚濁防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の適用も受けますので、取扱いに当っては十分注意して下さい。
◎カセイソーダの容器
◎容器の取扱い
Q.I - 6カセイソーダでは、なぜ97%換算が行われているのでしょうか?開閉
A.I - 6以下の文献を参照してください。
日本ソーダ工業百年史、p.312、日本ソーダ工業会(昭和57年)
下記の理由から市場での建値にカセイソーダ97%換算が使用されてきたと思われ、これが現在まで、慣行として通用しているため、日本ソーダ工業会の統計もカセイソーダは97%換算で集計されています。
(本文抜粋 一部修正)
「液体カセイソーダが97%換算値の純分の建値で取引されて理由」は、昭和初年度前後から固形カセイソーダ取引の産物であろうと思われる。(中略)「液体カセイソーダが販売されたのは、昭和10年前後なので、(中略)固形カセイソーダの主力商品であったアンモニア法カセイソーダ97%建値に合わせて販売することが、最も市場的に便利であったことの理由によるものであろう。Q.II - 1塩素のガス密度、液密度、蒸気圧を教えて下さい。開閉
A.II - 1以下の文献を参照してください。
ソーダ技術ハンドブック2009, p.428-429, 日本ソーダ工業会(2009)
Q.II - 2塩素ガス(ボンベ)の取扱いについて注意するべきことを教えて下さい。開閉
A.II - 2塩素の消費については、一般高圧ガス保安規則の第53条から第60条に定められていますので、参照してください。
なお、容器の加熱については第60条(3)に定められていますのでこちらも遵守して下さい。
Q.II - 3保護手袋はどのような材質のものを使用したら良いでしょうか?開閉
A.II - 3日本ソーダ工業会の液化塩素のMSDSにおける塩素を取り扱う際の保護手袋の材質については、厚生労働省・職場の安全サイト・GHSモデルMSDSから引用した。
【厚生労働省・職場の安全サイト・GHSモデル塩素MSDS】
Q.II - 4充填の際、乾燥空気中の水分露点-45℃とする根拠は何でしょうか?開閉
A.II - 4ソーダ技術ハンドブック2009, p.185, 日本ソーダ工業会(2009)を参照してください。
Q.II - 51tボンベ、タンクローリーの温度管理基準を教えて下さい。開閉
A.II - 5塩素の輸送上の取扱いについては、一般高圧ガス保安規則の第48条から第51条に定められていますので、参照してください。なお、容器の加熱については第60条(3)に定められていますので、遵守して下さい。
Q.II - 6放置されている塩素ガス容器のありました、どのように処理したら良いでしょうか?開閉
A.II - 6塩素ガス容器を含む、放置された高圧ガス容器全般の対応については、高圧ガス保安協会の中央容器管理委員会の事業として実施されていますので、高圧ガス保安協会にお問合せ下さい。
Q.III - 1塩酸の蒸気圧はいくつでしょうか?開閉
A.III - 1塩酸の蒸気圧は、日本ソーダ工業会のホームページの「製品の安全な取扱い→安全な塩酸の取扱い」の19ページに掲載されていますので、ご参照ください。
Q.III - 2塩酸のどのように廃棄したら良いでしょうか?開閉
A.III - 2下記の通り、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」にしたがって処理してください。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
廃酸は、産業廃棄物に指定されており、収集、運搬、処分は定められた基準に従って、事業者自ら処理するかあるいは区域を管轄する都道府県知事の許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託して処理しなければなりません。
Q.III - 3塩酸貯槽の届出、および関連法規について教えて下さい?開閉
A.III - 3消防法に下記の規定がありますので、遵守して下さい。
消防活動阻害物質に関する消防長等への届出(第9条の3)
火災予防、消火活動に重大な支障を生じる恐れのある物質を一定数量以上(シアン化カリウム30kg、砒素30kg、水銀30kg、塩酸200kg、硫酸200kg、液化石油ガス300kgなど:危険物の規制に関する政令第1条の10、別表第1、別表第2)貯蔵し、または取り扱う場合には、消防長または消防署長に届け出る必要がある。
なお、関連法規を次項に示します。
これは、日本ソーダ工業会のホームページの「製品の取扱い」からダウンロードすることが出来ますので、ご参照ください。
◎関連法規
塩酸は主として毒物及び劇物取締法の規制を受けますが、他に薬事法、食品衛生法、船舶安全法、水質汚濁防止法、大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、労働安全衛生法、消防法、高圧ガス取締法の適用も受けるので、取扱いに当っては十分注意して下さい。
Q.III - 4毒劇物取締法で「塩化水素10%以下を含有する物を除く」の根拠は何でしょうか?開閉
A.III - 4毒物及び劇物指定令に記載されています。
毒物及び劇物指定令
第二条16 塩化水素を含有する製剤。ただし、塩化水素10%以下を含有する物を除く。
Q.III - 5塩酸ドラムのゴムライニング点検はどうしたらよいでしょうか?
A.III - 5塩酸タンクの製造メーカーに問い合わせるか、またはゴムライニングの専門会社に問い合わせることをお勧めします。
Q.IV - 1次亜塩素酸ソーダ中の有効塩素について教えて下さい。開閉
A.IV - 1以下の文献を参考して下さい。
ソーダ技術ハンドブック2009,pp209‐210,日本ソーダ工業会(2009)
(本文抜粋)
6)有効塩素Q.IV - 2次亜塩素酸ソーダの殺菌メカニズムについて教えて下さい。開閉
A.IV - 2以下の文献を参照してください。
「殺菌・消毒に活躍する次亜塩素酸ナトリウム」日本食品洗浄剤衛生協会編
以下のアドレスから参照できます。(PDFファイル、平成27年12月現在)
Q.IV - 3食品製造における次亜塩素酸ソーダの取扱いについて教えて下さい。開閉
A.IV - 3この件に関しましては、「日本食品洗浄剤衛生協会」にお問い合わせください。
ホームページ:http://shokusen.jp/
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-6-1 食品衛生センター4階
TEL:03-3403-2922 FAX:03-3403-2924
Q.IV - 4次亜塩素酸ソーダの反応性について教えて下さい。開閉
A.IV - 4以下の文献を参照してください。
ソーダ技術ハンドブック2009, pp.206-209, 日本ソーダ工業会(2009)
Q.IV - 5次亜塩素酸ソーダ用設備で使用する主要材料の耐食性について教えてください。開閉
A.IV - 5以下の文献を参照しました。
ソーダハンドブック, p.711-714, 日本ソーダ工業会(1975) 絶版
Q.IV - 6塩素中毒の事故事例を教えてください。開閉
A.IV - 6以下の文書を参照してください。
「次亜塩素酸塩溶液と酸性溶液との混触による塩素中毒災害の防止について」
厚生労働省労働基準局安全衛生部長発 各都道府県労働局長宛 平成16年11月2日
基安発第1102003号
平成16年11月2日
各都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局安全衛生部長
次亜塩素酸塩溶液と酸性溶液との混触による塩素中毒災害の防止について
安全衛生行政の中でも化学物質による健康障害の防止は重点項目の一つとして推進しているところであるが、化学物質による労働災害の中で次亜塩素酸塩溶液を誤って酸性溶液のタンク等に注入し、又はその逆の操作を行い、これらの液体が混触することにより化学反応を起こし、発生した塩素ガスを作業者や周辺の労働者が吸入する中毒災害は別紙のとおり毎年のように発生している。しかも、近年は屋外での発生から近隣住民等を巻き込んだ公衆災害にまで発展する例もみられるところである。
次亜塩素酸塩溶液は消毒や漂白等に、酸性溶液は洗浄や水処理等に用いられることから、両者のタンクを併設している事業場も多く、このような災害の起きる可能性は少なくないものと考えられる。
このような状況にかんがみ、別添1及び別添2のとおり、関係団体に対して標記災害の防止について周知徹底方要請したので、各局においても、関係事業者等に対して下記事項を周知するとともに必要な指導に努められたい。
記
別紙
最近発生した次亜塩素酸塩溶液と酸性溶液との混触による塩素中毒災害
横スクロールで全体が表示できます
番号 | 発生年月 | 業種等 | 被災者数 | 発生状況 |
1 | 平成13年2月 | スポーツクラブ | 1名 | スポーツクラブ施設内の浴場機械室内の濾過装置の消毒用タンクに次亜塩素酸ナトリウム溶液を補充しようとして、補充液が室内になかったため同じ薬液を消毒用に使用している同施設内のプール機械室に取りに行って、誤って酸性の凝集剤であるポリ塩化アルミニウム溶液を持ち出して次亜塩素酸ナトリウム溶液タンクに注入したためタンク内の次亜塩素酸ナトリウム溶液との化学反応により発生した塩素ガスを作業者が吸入して中毒となった。また、職場体験実習のため被災作業者と一緒に行動していた中学生3名も中毒になった。 |
2 | 平成13年3月 | ビルメンテナンス業 | 1名 | 保養所の地下倉庫内でカビ取り用塩素系洗剤(次亜塩素酸ナトリウム含有)を手動ポンプで18リットル容器から持ち運び用の4.5リットル容器に小分けしようとして、誤って別の18リットル容器に入っていた鉄さび・湯垢取り用酸性洗剤液(塩酸含有)を注入したため、4.5リットル容器内に残っていた次亜塩素酸ナトリウムとの化学反応により発生した塩素ガスを作業者が吸入して中毒となった。 |
3 | 平成13年5月 | スポーツクラブ | 22名 | スポーツクラブ施設内の機械室において、プール及び浴場の消毒用薬剤の残量点検・補充作業中に、消毒用の次亜塩素酸ナトリウム溶液を誤って酸性の凝集剤であるポリ塩化アルミニウム溶液タンクに注入したため、タンク内のポリ塩化アルミニウム溶液との化学反応により塩素ガスが発生し、同室内にある給排気ダクトを経由して建物内部に拡散した。これにより当該作業者を含むスポーツクラブの労働者9名、同じ建物内の他の事業場の労働者13名及びスポーツクラブの利用者9名が塩素ガスを吸入して中毒となった。 |
4 | 平成13年7月 | 不動産業 | 1名 | 貸しビルの地下機械室の井戸水処理装置の前処理用薬品のポリ塩化アルミニウム溶液(凝集剤)と次亜塩素酸ナトリウム溶液(滅菌剤)のそれぞれのタンクに薬液を補充しようとして、誤って酸性のポリ塩化アルミニウム溶液を次亜塩素酸ナトリウム溶液タンクに注入したため、タンク内の次亜塩素酸ナトリウム溶液との化学反応により発生した塩素ガスを作業者が吸入して中毒となった。 |
5 | 平成13年7月 | 旅館業 | 2名 | ホテルのポンプ室内において、水道水の滅菌タンクに次亜塩素酸ナトリウム溶液を補充しようとして、同室内の床上に次亜塩素酸ナトリウム溶液と酢酸の同量の容器が並んで置かれていた中から誤って酢酸の容器を取り上げて、これを滅菌タンクに注入したため、タンク内の次亜塩素酸ナトリウム溶液との化学反応により発生した塩素ガスを作業者1名と近くで作業していた労働者1名が吸入して中毒となった。 |
6 | 平成13年8月 | 建物サービス業 | 1名 | ゴルフクラブ内の浄水施設の管理業務において、薬液の補充を行っていた際に、凝集剤のポリ塩化アルミニウム溶液のタンクに誤って滅菌用の次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入したため、タンク内のポリ塩化アルミニウム溶液との化学反応により発生した塩素ガスを作業者が吸入して中毒となった。 |
7 | 平成13年10月 | 公衆浴場 | 2名 | 井戸水の浄化処理工程の滅菌用次亜塩素酸ナトリウム溶液のタンクに薬液を補充しようとして、誤って酸性の凝集剤であるポリ塩化アルミニウム溶液を注入したため、タンク内の次亜塩素酸ナトリウム溶液との化学反応により発生した塩素ガスを作業者1名が吸入して中毒となったほか、近くで別の作業をしていた労働者1名も中毒となった。 |
8 | 平成14年2月 | 道路貨物運送業 | 1名 | 運輸業と化学薬品の小分け販売を行っている事業場の労働者が、取引先の化学工場から塩化第二鉄溶液をタンクローリーに荷受けして自社まで輸送し、自社の塩化第二鉄溶液タンクに移し替える際に、内容物を日常的に輸送する機会の多い次亜塩素酸ナトリウム溶液と誤認して次亜塩素酸ナトリウム溶液タンクのバルブを開き、タンクローリーから酸性の塩化第二鉄溶液を注入したため、タンク内の次亜塩素酸ナトリウムとの反応により塩素ガスが発生し、作業を行っていた労働者がこれを吸入し中毒となった。 |
9 | 平成14年4月 | 食料品製造業 | 1名 | 飲料製造工程の洗浄剤であるリン酸と次亜塩素酸ナトリウム溶液をそれぞれのタンクに補充する際に、誤ってリン酸タンクに次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入したため、タンク内のリン酸との化学反応により発生した塩素ガスを作業者が吸入して中毒となった。。 |
10 | 平成14年9月 | スポーツ施設 | 3名 | 屋内プールを有する体育施設に次亜塩素酸ナトリウム溶液を納入に来た運送会社の労働者が、当該施設の管理事業場の労働者の立会いの下に屋外の注入口から地下タンクに注入する際に、立会い者が誤って併置されている酸性の凝集剤であるポリ塩化アルミニウム溶液タンクの蓋を開いて注入を指示し、運送会社の労働者も蓋の裏の注意事項を確認せず指示のままに次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入したために、タンク内のポリ塩化アルミニウム溶液との反応により塩素ガスが発生した。 発生した塩素ガスは地下室の排気口から排出されたが、その近くに屋内換気設備の吸気口があり、ここから吸い込まれた塩素ガスが換気設備を通じて屋内にも拡散し、施設内にいた施設利用者を含む約200名が避難した。 この事故で屋内にいた労働者3名と近隣住民5名が救急車で病院に搬送されたほか、労働者10名が医療機関を受診した。(この10名は異常なし) |
11 | 平成15年10月 | 小売業 | 1名 | 被災者が営業で牧場を訪れた際、納品している3種類の洗浄液の補充を依頼されたため、洗浄液をポリタンクに補充したところ、誤って塩素系の洗剤(水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム含有)を酸性の洗剤(硝酸、有機酸含有)のタンクに投入したため、塩素ガスが発生し、これを吸入して中毒となった。 |
12 | 平成15年10月 | おしぼりリース業 | 5名 | おしぼりリース業の事業場へ消毒用の次亜塩素酸ナトリウム溶液を納入に来た運送会社の労働者が、誤ってこれを排水の中和処理用の硫酸タンクに注入したため、タンク内の硫酸との反応により塩素ガスが発生し、当該作業者及び納入先事業場の労働者4名がガスを吸入して中毒となった。また、付近を歩いていた通行人1名も中毒になった。 |
13 | 平成15年10月 | ビルメンテナンス業 | 1名 | ホテルの施設管理業務の一環として定期巡回を2名で行っていた際、機械室でプール水等の消毒用の次亜塩素酸ナトリウム溶液がビニール製の容器から漏れているのを見つけたので、機械室内のポリタンクを持って来て当該溶液の移し替えを行ったところ、このタンクが次亜塩素酸ナトリウム溶液用のものと同じ形状の酸性の凝集剤であるポリ塩化アルミニウム溶液タンクであったため、タンク内のポリ塩化アルミニウム溶液との反応により塩素ガスが発生し、労働者1名がガスを吸入して中毒となった。 |
14 | 平成15年12月 | 食料品製造業 | 4名 | 水産加工場において、まな板等の消毒用の次亜塩素酸ナトリウム溶液を20リットル入りの容器から10リットル入りの小容器に移し替える際に、誤って似た形の20リットル容器入りのリン酸を主成分とするpH調整剤を小容器に注入したため、小容器に残っていた次亜塩素酸ナトリウム溶液との反応により塩素ガスが発生し、移し替え作業を行っていた2名の労働者と付近で他の作業を行っていた労働者2名の計4名がガスを吸入して中毒となった。 |
15 | 平成16年7月 | 廃棄物処理業 | 2名 | ゴミ処理工場の地下ポンプ室内において、井戸水の除鉄用の次亜塩素酸ナトリウム溶液が少なくなったため、電動ポンプを用いて次亜塩素酸ナトリウム溶液用タンクに補充しようとしたところ、誤ってポリ塩化アルミニウム溶液を注入したため、塩素ガスが発生し、付近にいた作業員2名が塩素ガスを吸入した。 |
16 | 平成16年9月 | スポーツクラブ | 5名 | スポーツクラブ施設内の機械室において、プールの殺菌用に使用する容量100リットルのポリタンクに入っている次亜塩素酸ナトリウム溶液の残量が約25リットルと少なくなったため、社員が1名で次亜塩素酸ナトリウム溶液をポリタンクに注入しようとした。しかし、誤ってポリ塩化アルミニウム溶液を約20リットル注入したため、ポリタンク内の次亜塩素酸ナトリウム溶液と反応して、塩素ガスが発生した。 そこで希釈するため水を注入したところ、希釈溶液があふれ、コンクリート床に拡散したため、注入作業をしていた社員と拡散した希釈溶液の処理をするため駆けつけた支配人と社員3名、そして買い物帰りの第三者が塩素ガスを吸入し救急車で病院に搬送された。 |
参考1
主な次亜塩素酸塩溶液と酸性溶液の種類と用途
1 主な次亜塩素酸塩溶液
横スクロールで全体が表示できます
種類 | 用途 |
次亜塩素酸カルシウム溶液 (別名 サラシ液) |
洗剤用、紙・パルプ、綿糸布、麻糸など繊維の漂白、デンプン、果皮、油脂、セラミックスの漂白、クロロホルム・クロルピクリンなど有機薬品製造、無機薬品製造における鉄の除去剤、アセチレンガスの精製 |
次亜塩素酸ナトリウム溶液 (別名 次亜塩素酸ソーダ) |
洗剤用、紙・パルプ、繊維漂白、上下水道の水処理剤(滅菌剤) |
2 主な酸性溶液
横スクロールで全体が表示できます
種類 | 用途 |
塩化第二鉄溶液 (別名 塩化鉄(III)) |
プリント配線、シャドーマスク(金属板腐食液)、下水処理(汚水浄化沈殿剤)、写真製版製 |
塩酸 (別名 塩化水素酸) |
グルタミン酸ソーダの製造、しょう油、染料、香料、医薬品、農薬の製造、各種無機塩化物・その他化学薬品の製造、鉄板・鉄鋼などの除錆、ロウ付彫刻、ゼラチン及び革製造用、ブドウ糖・シロップの製造、デンプンの糖化、染色なっ染用及び漂白用繊維のマルセル化など、後処理用骨炭の再生、ケイソウ土・ケイ砂等の鉄の除去、石灰石の分解による二酸化炭素の発生、起寒剤、王水の製造、蚕種孵化用 |
クエン酸溶液 | 清涼飲料水、製薬原料、クエン酸塩類(クエン酸ソーダ、クエン酸鉄アンモニウム、クエン酸鉄)、合成清酒、調味エキス、菓子用、写真薬、メッキ薬、可塑剤 |
酢酸 | 酢酸エステル、酢酸ビニル、写真、染色、食用、医薬、モノクロロ酢酸、無水酢酸、セルロースアセテート、テレフタル酸、合成ゴム、繊維 |
硝酸 | 有機合成、ニトロ化合物、セルロイド工業、火薬、爆薬、染料、香料、冶金、人絹、硝酸塩製造、硫酸、電気メッキ、金属溶解用、写真製版、医薬品、肥料、TDI、アジピン酸 |
乳酸溶液 | 醸造工業、飲料用、乳酸塩の製造、医薬品、乳酸工業、有機合成、リキュール蒸留、チーズ製造、エッセンス、エキス、シロップ |
ポリ塩化アルミニウム溶液 (略称 PAC) |
上水道用、工業用水浄水用、工場などの一般排水処理用 |
硫酸 | 肥料工業、繊維、無機薬品工業をはじめ金属精錬、製鋼、紡織、製紙、食料品工業など広範囲に使用される |
リン酸 | リン酸塩及び縮合リン酸塩類の原料、金属表面処理、メッキ、医薬品(ストレプトマイシン、ペニシリン、ビタミンC)、染色、食品(清涼飲料の酸味剤などの食品添加物)、歯みがき用、リン酸カルシウム用 |
出典:14504の化学商品 化学工業日報社 |
参考2
塩素ガスの有害性等について
(注)
Q.IV - 7労働安全衛生法での化学製品製造および取扱設備(法31条の2)で、次亜塩素酸ソ-ダならびに
次亜塩素酸カルシウム(高度さらし粉)の場合、固形製品だけが対象なのでしょうか?開閉
A.IV - 7以下の文書を参照してください。
労働安全衛生法施行令(別表第1) 解釈例規 (昭50.2.24 基発110号)
ここでは「固形のものに限るものである。」と、あります。
Q.IV - 8次亜塩素酸ソーダの廃棄方法について教えて下さい。開閉
A.IV - 8下記の通り、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」にしたがって処理してください。
(4) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
廃アルカリは、産業廃棄物に指定されており、収集、運搬、処分は定められた基準に従って、事業者自ら処理するかあるいは区域を管轄する都道府県知事の許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託して処理しなければなりません。
Q.IV - 9イエローカードの携帯はなぜ必要なのでしょうか?開閉
A.IV - 9以下の文書を参照してください。
「イエローカード運営要領」日本化学工業協会、平成16年9月
Q.IV - 10貯槽設備などの材質は何が良いのでしょうか?開閉
A.IV - 10以下の文献を参照しました。
ソーダハンドブック, p.554, 日本ソーダ工業会(1975) 絶版
Q.V - 1カセイソーダなどの市況、販売価格を教えて下さい。開閉
A.V - 1当会はカセイソーダ・塩素・、ソーダ灰の製造企業で構成される事業者団体であり、製品価格に関与することは、独占禁止法などの法令、公正取引委員会から出されている「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」に違反する行為となると判断しています。
したがって、会員企業の行う商行為、特に価格に関与する行為は全く行っていませんので、日本経済新聞、化学工業日報社などのマスコミ公表数値をご参照下さい。
Q.V - 2カセイソーダなどソーダ製品生産量を製造企業別に教えて下さい。開閉
A.V - 2公正取引委員会から出されている「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」では、各社個別数量を事業者団体が公表することは、競争制限行為と見なされています。
統計に関しては、単なる集計結果として、総量を公表することしか認められていません。
したがいまして、企業の個別数値を公表できません。
Q.V - 3ソーダ工業用塩の輸入や、輸入した塩の販売は自由にできるのでしょうか?開閉
A.V - 3輸入および輸入した塩の使用に関しましては、「塩事業法」により「塩特定販売業者」としての登録制度が有りますので、事前に税関に届出て、登録する必要があります。
また、製造、卸売りなども同様に事前登録が必要になりますので、管轄の財務省地方財務局、税関にお問い合わせして下さい。