塩素需要の特徴は、約36%が塩化ビニル樹脂で使用されることです。プラスチックのひとつである塩化ビニル樹脂は、エチレンと塩素を反応させて生成した二塩化エチレン(EDC)を熱分解し、塩化ビニルモノマー(VCM)を製造し、さらにVCMを重合して作られます。
塩素系溶剤にはパークロロエチレン、トリクロロエチレンなどがあり、主に金属加工部品の脱脂洗浄に使われます。
クロロメタンは塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルムの総称で金属洗浄に用いられたり、シリコーン樹脂の原料として使われます。
POは、ウレタン樹脂の原料であるPPGや不飽和ポリエステル樹脂の原料となるPGの製造時に使用されます。
TDI・MDIは、軟質ウレタン樹脂の原料であるTDIや硬質ウレタン樹脂の原料であるMDIの製造の際に使用されるものです。
その他部門は、エポキシ樹脂の原料であるアリルクロライド、エピクロロヒドリンの製造や、電解ソーダでの原料塩の精製、合成ゴムであるクロロプレンの製造、鉄鋼の酸洗い、上下水道の殺菌などに使われているものです。
また、この中には、紙・パルプや次亜塩素酸ソーダの製造に使用されるものも含みます。紙・パルプの製造では、塩素は、か性ソーダ等で溶解した後、分離した繊維素の漂白に使われます。